My Poems

2019年9月22日 (日)

「道路と土手と塀」

    「道路と土手と塀」

 

 

ついに

お目当ての絵の前に立つ

 

画家R.Kの風景画の白眉

 

白い塀のつややかなマチエール

坂の上は浮き立ち

青い空にはうっすらと雲が浮かんでいる

 

土手際の樹木はほのかな風を匂わせ

リアルな電信柱の影

精緻に描きこまれた草…

 

東京駅の赤レンガの駅舎の中

至高のポエジーを体感した

生涯忘れえぬひととき

 

 

      2019年9月22日

2019年8月 9日 (金)

暑気

     暑気

 

 

真夏の午後零時

 

照りつける太陽が中天にあるので

街角に日陰はほとんどない

 

涼に餓(かつ)えながら

行きつけのカフェめざして

むんむんする暑さの中を突っ切っていく

 

クーラーが効くのは屋内だけ

 

どんなに文明が進化しようとも

外を涼しくするなんてできやしない

 

百年後も

二百年後も

人はこんな暑さの中を

黙って突き進んでいくことだろう

 

今のこのわたしのように

 

 

        2019年8月9日

2019年7月14日 (日)

天気雨

     天気雨

 

 

雨があがって

明るい日が射していた

 

なのに

パラパラと降りかかってきた水のしずく…

 

お日様と雲がやらかした

お茶目なコラボレーション!

 

 

        2019年7月14日

2019年6月29日 (土)

目印

     目印

 

 

なぜかいつも

そこで

電車を待つ

 

地下鉄のプラットホーム

 

さるリーズナブルなホテルの広告の正面

 

パネルの片側で

緑の帽子をかぶった女社長が

ご満悦げにこちらを見ている

 

 

        2019年6月29日

2019年6月15日 (土)

ミルクスタンド

     ミルクスタンド

 

とうの昔に消え果てていると思っていたものが

あったのだ

 

ミルクスタンド

 

秋葉原駅のホーム

昔ながらのあの位置に

あのたたずまいで

 

パンと牛乳を交互に口に運んでいる

客人たちの姿も健在だ

 

めまぐるしい変化を遂げつつある秋葉原にあって

なお変わらないもののゆかしさ…

 

立ちながらにしてパンとミルクをほおばれる手軽な売店

 

ミルクスタンドよ永遠に!

 

        2019年6月15日

2019年6月12日 (水)

     朝

 

 

根気よく降り続いていた雨も

どうやらお疲れのよう

 

梅雨の雨あがりは

あの湿り気を帯びた空気が心地よい

 

広い車窓を横切っていく

くさぐさの風物

 

荒川は眺望はるかに滔々と流れゆき

 

飛鳥山公園の紫陽花は今年も盛況

 

尾久駅は相変わらずひなびていて

 

広漠たる雲がちの空に

清澄なる青い晴れ間が見えた

 

 

       2019年6月12日

2019年6月 5日 (水)

公園のベンチにて

     公園のベンチにて

 

まちなかの公園には

そんなに楽しいものはなさそうです

 

あまりきれいでもないベンチが

広いスペースを取り巻いていて

 

みなさんそれに腰掛けて

煙草を吸ったり スマホをいじったりされていますが

 

なんとなくけだるいような

退屈そうなご様子です

 

時々 笑顔で話を交わす仲間たちや

仲睦まじいカップルも見受けられますが

公園そのものをエンジョイしているわけではないでしょう

 

煙草の吸殻やコンビニの袋が落ちていますし

所在なさげに歩を進める鳩も

小さな花壇に咲く花も

どこか垢じみています

 

まちなかの公園には

そんなに楽しいものはないのです

 

あるものといえば

粉塵にまみれて色艶の衰えた樹々と

思いついたように吹き過ぎてゆく風ばかり…

 

        2019年6月5日

2019年6月 1日 (土)

好ましきもの

     好ましきもの

 

 

壁にかかっている絵

 

巴里

セーヌ川

すがれた樹木

陰鬱な空

 

オフィスの廊下にビュッフェの風景画は必要だろうか

 

ただ

癒される者は癒されるのだ

 

 

     2019年6月1日

2019年4月 3日 (水)

ノスタルジー

     ノスタルジー



沈みゆく夕日を見た


高層ビル群の少し上方 茫漠とした灰色の空の中

ほっそりとした白雲がたなびいている薄黄色い日輪


遠い昔 山の端に落ちかかっていたあの入日と寸分もたがわない


あふれ出る郷愁が

限りない安らぎをもたらしてくれる


          2019年3月31日

2019年3月21日 (木)

落日

      落日


原付に乗って陸橋を上り始めた時
バックミラーに映り込んできた夕日

ふるえながらもはっきりと
かなたの地平線上で
あざやかな紅色に染まって

つかの間のドラマに触れた冬の日の夕まぐれ


           2019年3月21日

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