イタリア絵画

2014年6月30日 (月)

『逸楽の懲罰』(セガンティーニ)

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ジョヴァンニ・セガンティーニ(イタリア 1858~99)といえば、その独特の点描法でアルプス地方の風物を詩的情緒を交えて描いた画家として知られていますが、この『逸楽の懲罰』(1891年 油彩・カンヴァス 235×129㎝ リヴァプール、ウォーカー美術館)は、彼の象徴主義絵画を代表する傑作として名高いものです。

堕胎や放置によって子供たちを死に追いやった「悪しき母親」たちの魂が昇天できずに浮遊している様が、セガンティーニ一流の情感あふれる美しいアルプスの山岳風景の中、やや官能的に描出されています。 

2013年9月 8日 (日)

犀の見せ物 (ロンギ)

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『犀の見せ物』(1751年 油彩・カンヴァス 62×50㎝ ヴェネツィア、カ・レッツォニコ)はピエトロ・ロンギ(イタリア 1702~85)が描いたヴェネツィアのカーニヴァルからのワンシーンです。

当時ヴェネツィアではまだ珍しかった犀を見る人々の衣装や表情が、ロンギならではの繊細なタッチで描かれています。

2013年9月 7日 (土)

リュートを弾く娘 (ジェンティレスキ)

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オラツィオ・ジェンティレスキ(1563~1639)は同時代人のカラヴァッジョの影響を受け、主としてローマで活動した画家ですが、カラヴァッジョよりはより抒情的で洗練された画風を打ち出しました。

『リュートを弾く娘』(1626年頃 油彩・カンヴァス 144×130㎝ ワシントン、ナショナル・ギャラリー)は彼の特質がよく見てとれる作品の一つで、リュートの響きに耳傾ける女性の衣服の質感や腰掛けを覆っているビロードの鈍い輝きも達者に描かれていて、イタリア・バロック期の代表的な風俗画になっています。

2013年9月 6日 (金)

音楽家の肖像 (ポントルモ)

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ポントルモ(本名ヤコポ・カルッチ)(イタリア 1494~1557)はフィレンツェ派のマニエリズモの代表的画家で、主として宗教的テーマの作品を描きましたが、肖像画にも優れたものが多いと評されています。

『音楽家の肖像』(1519年頃 油彩・板 86×67㎝ フィレンツェ、ウフィツィ美術館)もその一つで、モデルの個性把握に加えて、顔の右側や右手首、そして譜面に当たっている光の描写等も秀逸で、ポントルモの肖像画家としての並はずれた才能が感じられます。

キリストのエルサレム入城 (ドゥッチョ)

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ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ(イタリア 1255頃~1319)の『キリストのエルサレム入城』(1311年頃 テンペラ・板 100×57㎝ シエナ大聖堂付属美術館)は有名な『マエスタ(荘厳の聖母)』の裏面に描かれている26景の「受難伝」の最初のシーンを描いたパネルです。

画面左側には仲間を伴ったキリストが、右側にはマントを敷き広げる少年に先導されて迎えるエルサレム市民が、そして上方にはクワの木の上からこの場面を見物する通行税徴収人の姿が見えます。

2013年9月 5日 (木)

受胎告知 (ピントリッキョ)

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ピントリッキョ(イタリア 1454~1513)が描いた『受胎告知』(1501年 フレスコ スペロ、サンタ・マリア・マッジョーレ聖堂、バリオーニ礼拝堂)は数ある受胎告知画の中でもよく知られているものです。

この作品では天使や聖母よりも架空の建築物や風景の方に重点が置かれていて、ピントリッキョが得意とした多様な装飾技法が用いられており、画家自身の肖像画も画面右下に認められます。

ヴェネツィアのガラコンサート (グァルディ)

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フランチェスコ・グァルディ(イタリア 1712~93)は主としてヴェネツィアの景観を描いた風景画家として知られていますが、この『ヴェネツィアのガラコンサート』(1782年 油彩・カンヴァス 68×91㎝ ミュンヘン、アルテ・ピナコテーク)のような風俗画もいくつか描いています。

さるロシア皇太子のヴェネツィア訪問に際して行われた音楽愛好家クラブでの女性によるコンサートの様子を描いたものですが、グァルディ一流の味わい深い色彩と洗練された情調を湛え、当時の華やかな雰囲気が伝わってくるようです。

2013年9月 4日 (水)

受胎告知 (フラ・アンジェリコ)

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フラ・アンジェリコ(イタリア 1400頃~55)の『受胎告知』(1452年頃 フレスコ 250×321㎝ フィレンツェ、サン・マルコ修道院)は比較的簡素な作品ながら、宗教的敬虔さに満ちあふれています。

今まさに天使から神のお告げを聴くマリアの謙虚な物腰や閉ざされた中庭(マリアの純潔を象徴している)の雰囲気等、ドミニコ会の一修道士として生涯を送ったアンジェリコの敬虔な心情が伝わって来るようです。

2013年9月 3日 (火)

砂浜にて (ファットーリ)

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『砂浜にて』(1890年 油彩・カンヴァス 69×100㎝ リヴォルノ、ジョヴァンニ・ファットーリ美術館)はジョヴァンニ・ファットーリ(イタリア 1825~1908)の代表作の一つです。

ファットーリはフランスのバルビゾン派の影響を受けていますが、風景画の他にも風俗画や肖像画も描き、19世紀イタリアの重要な画家と見なされています。

柱廊 (カナレット)

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『柱廊』(1765年 油彩・カンヴァス 131×95㎝ ヴェネツィア、アカデミア美術館)はカナレット(イタリア 1697~1768)の描いた空想画です。

対角線、水平、垂直といった幾何学的要素が効果的に使われていますが、画中の人物たちも強い遠近感を出すのに一役買っているようです。

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