ドイツ絵画

2014年7月 5日 (土)

『ヴィラ・デステの庭園』(ブレッヒェン)

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カール・ブレッヒェン(ドイツ 1798~1840)はドイツ後期ロマン派の風景画家であると同時に、非文学的主題による写実主義の祖として、後のメンツェル等に大きな影響を与えました。

『ヴィラ・デステの庭園』(1832年 油彩・カンヴァス 128×94㎝ ベルリン、ナショナル・ギャラリー)は、画家が後期ルネサンス時代に思いを馳せて描いた架空の風景画で、強い明暗の対比と共にどこか荘重さを感じさせてくれる秀作です。

2014年7月 1日 (火)

『アムステルダムの孤児院の中庭』(リーバーマン)

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ドイツ印象主義の代表的作家と目されているマックス・リーバーマン(ドイツ 1847~1935)の『アムステルダムの孤児院の中庭』(油彩・カンヴァス 79×108㎝ フランクフルト・アム・マイン、シュテーデル美術館)は、彼のオランダ滞在中の印象とスケッチを基にミュンヘンのアトリエで制作されました。

厳格な規則に従って生活する孤児たちの真昼の休憩時間の様子が描かれていますが、画面左端に見えるクリの木は、木漏れ日を効果的に演出するためのリーバーマンの創作で、孤児たちの服の黒は両親を失った悲しみを、また赤はアムステルダム市民の温かい保護を表しています。

2013年8月25日 (日)

マグダラのマリアの祭壇画 (モーザー)

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『マグダラのマリアの祭壇画』(1432年 板 300×240㎝ ティーフェンブロン、ザンクト・マリア・マグダレーナ聖堂)はルーカス・モーザー(ドイツ 15世紀前半に活動)の唯一の真筆とされているものです。

上部には悔い改めたマグダラのマリアが髪に香油をつけてキリストの足を洗う「ベタニアでの食事」、左にはマルセイユ港が見える「聖者たちの航海」、中央にはマリアのマルセイユ到着後の「マルセイユでの聖者たち」、右にはマリアの「最後の聖体拝受」、そして下部には「10人の賢い婦人と愚かな婦人の中のキリスト」が描かれています。

古ネーデルラント絵画の影響を強く受けたこの作品は、15世紀後半から16世紀にかけてドイツで盛んに描かれた一連のマグダラのマリアの祭壇画の先駆となりました。

2013年8月12日 (月)

リーゼンゲビルゲの小湖 (リヒター)

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『リーゼンゲビルゲの小湖』(1839年 油彩・カンヴァス 63×88㎝ ベルリン、ナショナル・ギャラリー)は、ドイツ・ロマン派の画家アドリアン・ルートヴィヒ・リヒター(ドイツ 1803~84)が描いた風景画です。

この作品はリヒターがリーゼンゲビルゲを徒歩旅行したことから生まれましたが、リヒターならではのロマン主義的手法で描かれた画面からは美しい自然の情感が醸し出されています。

2013年7月25日 (木)

木陰の少女たち (マッケ)

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『木陰の少女たち』(1914年 油彩・カンヴァス 120×159㎝ ミュンヘン州立近代美術館)はドイツ表現主義の画家アウグスト・マッケ(ドイツ 1887~1914)の代表作の一つで切手の図案にもなっているものです。

マッケらしい夢幻的雰囲気に満ちた秀作だと思います。

2013年7月17日 (水)

騎士の夢 (マウフ)

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リカルド・マウフ(オーストリア 1874~1921)は世紀末のアール・ヌーヴォーや分離派の影響を受け、クリムト等とともにセンセーショナルな作品を発表した画家です。

『騎士の夢』(1902年 油彩・カンヴァス 個人蔵)は夢幻的雰囲気に包まれた作品で、右側のニンフが持つ赤いマントは馬上の騎士の赤い衣装に対応していて、今まさに来るべき情交を象徴していると解されています。 

2013年7月 9日 (火)

風景 (トーマ)

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『風景』(1890年 油彩・カンヴァス 113×89㎝ ミュンヘン、ノイエ・ピナコテーク)は、ハンス・トーマ(ドイツ 1839~1924)の数ある風景画の中でもよく知られているものの一つです。

広大な南ドイツの山岳風景の中で、ひとときのんびりとした気分で休息する男性のゆったりとした心情が伝わって来るような、ドイツ・ロマン派的モティーフをリアリズム的手法で描いたトーマらしい作品だと思います。

2013年6月22日 (土)

鏡の前で (ケルスティング)

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マイセン磁器製造所の絵画部門のディレクターであったゲオルク・フリードリヒ・ケルスティング(ドイツ 1785~1847)が描いた『鏡の前で』(1827年 油彩・カンヴァス 46×35㎝ キール美術館)は、19世紀前半のドイツで人気のあった、簡素で親しみやすい室内画の典型例です。

ケルスティングはその作品を主として小ぶりなサイズのカンヴァスに描きましたが、それは17世紀のオランダ風俗画の伝統を受け継いだものです。

2013年6月13日 (木)

バルコニーの女 (カールス)

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カール・グスタフ・カールス(ドイツ 1789~1869)はライプツィヒ出身の画家で、きわめてロマン的情趣にあふれた風景画等を描きましたが、すぐれた風景画論をものした芸術哲学者でもありました。

『バルコニーの女』(1824年 油彩・カンヴァス 42×33㎝ ドレスデン絵画館)は彼の作品中、比較的よく知られているもので、端正な構図と美しい風景をもつ佳品です。

2013年5月12日 (日)

楽園の小庭 (ライン川上流地方の画家)

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ライン川上流地方の画家(ドイツ 15世紀初頭に活動)は、この『楽園の小庭』(1420年頃 油彩とテンペラ・板 24×33㎝ フランクフルト・アム・マイン、シュテーデル美術館)という小品によって絵画史上にその名をとどめました。

天国の女王として冠をかぶって読書する聖母マリア、傍らに竜のいる聖ゲオルギウス、楽器を持つ聖チェチーリア等の聖人たち、また清純さを表すユリや謙虚さを表すスミレ等の植物が描かれていますが、魂の喜びに満ちた平和な楽園の小庭を象徴的に描いた傑作です。

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