オランダ絵画

2014年7月 5日 (土)

『眠れる学生』(ヴァーハウト)

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コンスタンチン・ヴァーハウト(オランダ 1660年代にゴーダで活動)はいわゆる群小画家の一人で、わが国ではほとんどその名を知られていませんが、この『眠れる学生』(1663年 油彩・板 38×31㎝ ストックホルム国立美術館)はなかなか興味深い作品です。

表向きのタイトルこそ「眠れる学生」ですが、この絵の中心的意図はむしろ前景に置かれた静物群にあり、そこには人生のはかなさやこの世の生を有効に使わなければならないといった、教訓的意味合いが含まれています。

2014年7月 4日 (金)

『ワインを飲む女』(テルボルヒ)

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ヘラルト・テルボルヒ(オランダ 1617~81)は17世紀オランダ風俗画を代表する画家の一人で、当時のオランダ人画家としては珍しく、イギリス、フランス、スペイン、イタリア、ドイツ等ヨーロッパ各国を訪れ、すぐれた肖像画や室内画を描きました。

『ワインを飲む女』(油彩・カンヴァス 38×28㎝ フランクフルト・アム・マイン、シュテーデル美術館)は、手紙、ペン、ワイン、カーテンの閉じたベッド等、「愛の小道具」とも言えるアイテムがテルボルヒならではの優れた質感を持って描かれた、愛すべき小品です。

2013年9月 1日 (日)

廃墟と教会のある風景 (ロイスダール)

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ヤーコプ・ファン・ロイスダール(オランダ 1628~82)は17世紀オランダ風景画の巨匠ですが、この『廃墟と教会のある風景』(1670年 油彩・カンヴァス 109×146㎝ ロンドン、ナショナル・ギャラリー)は彼の代表作の一つに数えられています。

ロイスダールは1660年代から主として出身地のハーレム近郊をモチーフに、多くのパノラマ式の風景画を制作しましたが、この作品がどこを描いたものなのかはよくわかっていません。

雲や樹木のリアルな描写がいかにもロイスダールらしい、スケールの大きさを感じさせてくれる傑作です。

2013年8月26日 (月)

廊下 (ホーホストラーテン)

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サミュエル・ファン・ホーホストラーテン(オランダ 1627~78)はさまざまなジャンルの絵画を手がけましたが、とりわけそのユニークな室内画は有名です。

『廊下』(1662年 油彩・カンヴァス 264×137㎝ イギリス、グロースター州)は観者が上部の鳥かごの真下から長い廊下を見るような設定になっていますが、立てかけられた箒や中景に見える猫、そして向かい合う男女等が性愛をほのめかしているとも解されています。

2013年8月21日 (水)

デルフトの中庭 (ホーホ)

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ピーテル・デ・ホーホ(オランダ 1629~84)はフェルメールと並称される17世紀オランダ風俗画の巨匠ですが、この『デルフトの中庭』(1658年 油彩・カンヴァス 74×60㎝ ロンドン、ナショナルギャラリー)は特によく知られている作品です。

女中に手を引かれて母親のところまで連れて行かれる幼児の姿が描かれていますが、左上の碑文は、謙虚な生活を送る者こそ高みへと導かれる、といった趣旨のもので、地味で堅実なオランダの市民生活を描いたデルフト時代のホーホの代表作と見なされています。

2013年8月14日 (水)

水車 (ホッベマ)

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『水車』(1665年頃 油彩・カンヴァス 80×66㎝ パリ、ルーヴル美術館)は有名な『ミッデルハルニスの並木道』と並んでマインデルト・ホッベマ(オランダ 1638~1709)の代表作と見なされているものです。

水車小屋というモティーフやどんよりとした空模様等、師ロイスダールの影響の濃い風景画です。

2013年7月26日 (金)

青い服の少女 (フェルスプロンク)

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ヨハネス・フェルスプロンク(オランダ 1597~1662)の描いた『青い服の少女』(1641年 油彩・カンヴァス 82×67㎝ アムステルダム国立美術館)はオランダ肖像画屈指の名作とされています。

画中の10歳くらいの少女は成人のような服装をしています(当時のオランダでは子供でも親のような服を着せられていたようです)が、特権階級の子弟であることは明らかで、最新流行の豪華な衣装に身を包み、当時流行っていた羽毛の扇を手にした愛くるしい姿は忘れ得ぬ印象を与えます。

2013年7月19日 (金)

ユダヤ人墓地 (ロイスダール)

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ヤーコプ・ファン・ロイスダール(オランダ 1628~82)は17世紀オランダ風景画を代表する巨匠ですが、この『ユダヤ人墓地』(1657年頃 油彩・カンヴァス 141×183㎝ デトロイト美術館)は『ヴェイクの風車』等と並んで傑作の一つと見られています。

この作品はロイスダール定番の暗雲漂う空といびつな樹木、また廃墟や墓地等を描くことによって悲壮感が醸し出されていて、「死」というものについて考えさせられる「瞑想的風景画」の代表作となっています。

2013年7月11日 (木)

スリッパ (ホーホストラーテン)

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『スリッパ』(1658年頃 油彩・カンヴァス 100×71㎝ パリ、ルーヴル美術館)はサミュエル・ファン・ホーホストラーテン(オランダ 1627~78)の室内画の代表作です。

前景の立てかけられた箒や奥の部屋の入口に脱ぎ棄てられたスリッパ、そしてテーブルの上の読みさしの書物等が、部屋での見えざる性愛遊戯をほのめかしているようです。

2013年6月15日 (土)

静物 (ホーホストラーテン)

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『静物』(1667年頃 油彩・カンヴァス 63×79㎝ カールスルーエ美術館)はサミュエル・ファン・ホーホストラーテン(オランダ 1627~78)の静物画の代表作です。

まるで本物と見まがうようなさまざまな品が、これまた本物と見まがうような木の枠の中に描かれていますが、一見無頓着に選ばれたかのようなこれら雑多なアイテムは、17世紀後半のオランダで流行した「ヴァニタス(人為のはかなさ)」を象徴しているとも解されています。