イギリス絵画

2013年8月 2日 (金)

ポーリングラードの樫の木 (クローム)

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『ポーリングラードの樫の木』(1818年 油彩・カンヴァス 125×100㎝ ロンドン、テート・ギャラリー)はジョン・クローム(イギリス 1768~1821)の作品群の中ではよく知られているもので、実際に発表されたのは1824年、タイトルは「自然からの習作」というものでした。

テーマとなっている樫の木はイギリス人の頑強な性質と結びつき、英国人画家たちには特に好まれた樹木でしたが、左下に見られる水浴する人々はどこか古代神話を想起させ、イギリスの田園風景を描いたこの作品をより味わい深いものにしています。

2013年6月24日 (月)

穀物畑の小屋 (コンスタブル)

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ジョン・コンスタブル(イギリス 1776~1837)は故郷サフォーク州の農業地帯をよく画題にしましたが、この『穀物畑の小屋』(1817年 油彩・カンヴァス 32×27㎝ カーディフ、ウェールズ国立美術館)は生地の近くのイースト・バーゴールドの風景を描いた小品で、いかにもイギリスの田園風景らしいのどかな情感を醸し出しています。

2013年5月20日 (月)

秋の木の葉 (ミレー)

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ジョン・エヴァレット・ミレー(イギリス 1829~96)は1848年にロセッティ、ハントと共にラファエル前派運動を起こしましたが、後にはその流儀とは異なる自由な作風を示しました。

『秋の木の葉』(1856年 油彩・カンヴァス 104×74㎝ マンチェスター市立美術館)はちょうどその過渡期にスコットランドで制作されたもので、夕焼け、煙、枯葉等が秋のはかない凋落的ムードを醸し出し、画家本人の言葉によれば「深遠なる宗教的厳粛さを喚起するための絵画」に仕上がっています。

2013年4月25日 (木)

ハウ伯爵夫人、メアリー (ゲインズボロ)

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トマス・ゲインズボロ(イギリス 1727~88)は18世紀のイギリス肖像画を代表する画家ですが、『ハウ伯爵夫人、メアリー』(1760年 油彩・カンヴァス 244×152㎝ ロンドン、ケンウッド・ハウス)も傑作の一つです。

美しい風景をバックに凛としてたたずむ婦人の姿が、画家一流の優美で繊細なタッチで巧みに描かれています。

2013年3月25日 (月)

ソールズベリー大聖堂 (コンスタブル)

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ジョン・コンスタブル(イギリス 1776~1837)はターナーと共に19世紀イギリス風景画の双璧をなしていますが、この『ソールズベリー大聖堂』(1823年 油彩・カンヴァス 88×112㎝ ロンドン、ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館)は、『干し草車』と並んで彼の代表作となっています。

この作品はコンスタブルの友人でもあったソールズベリーの司教ジョン・フィッシャーの注文で描かれたもので、聖堂の詳細な描写等、かなり司教好みの画面になっていますが、注文主は空に立ち込める白雲が気に入らなかったということです。

とはいえ、自然と人工の美が調和したこの作品は、イギリス風景画屈指の名作とされています。

2013年3月 3日 (日)

ロンドンのカフェ・ロイヤル (オーペン)

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ウィリアム・オーペン(イギリス 1878~1931)はアイルランドのダブリン出身の肖像画家で、美術史関係の著作もある、当時は非常に人気のあるアーティストでした。

『ロンドンのカフェ・ロイヤル』(1912年 138×114㎝ パリ、オルセー美術館)は、まだエドワード7世時代(1901~10)の名残を留めるロンドンの有名アーティストたち(奥のテーブルについている人々)のカフェでの集会を描いたものですが、天井の装飾等から当時のカフェ内の豪華なインテリアを偲ぶことができます。

2013年2月22日 (金)

マウスホールド・ヒースの眺め (クローム)

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ジョン・クローム(イギリス 1768~1821)は17世紀のオランダ風景画と母国イギリスの風景から影響を受け、「ノーウィッチ派」の祖となった画家です。

『マウスホールド・ヒースの眺め』(1815年頃 油彩・カンヴァス 55×81㎝ ロンドン、ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館)はクロームの代表作で、羊飼いの少年と周囲の美しい自然描写に、前世紀のオランダ風景画とは異なるロマン主義的な情緒が感じられます。

2013年2月18日 (月)

倦怠 (シッカート)

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ウォルター・シッカート(イギリス 1860~1942)はミュンヘンに生まれたドイツ系の画家ですが、パリやロンドンで絵を学び、イギリス印象主義の代表者となりました。

『倦怠』(1914年 油彩・カンヴァス 152×112㎝ ロンドン、テート・ギャラリー)は彼の作品中で最もよく知られているもので、うつろな眼差しで葉巻を吹かす男性や、ぼんやりと絵を眺める女性の姿など、室内の倦怠感がよく表現されています。

2013年2月 1日 (金)

シャロット姫 (ウォーターハウス)

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『シャロット姫』(1888年 油彩・カンヴァス 153×200㎝ ロンドン、テート・ギャラリー)は、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス(イギリス 1849~1917)の代表作としてつとに有名です。

この作品に描かれている美女は、詩人テニスンの書いた『シャロット姫』のヒロインで、今まさに死出の旅に出ようとしています。

シャロット姫のポートレートもさることながら、舟や敷物、またアシや樹木等も丹念に描かれていて、イギリス・ビクトリア朝時代に絶大な人気を博したウォーターハウスの面目躍如たるものが感じられます。

2013年1月 4日 (金)

庭園での語らい (ゲインズボロ)

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トマス・ゲインズボロ(イギリス 1727~88)は18世紀イギリスの著名な肖像画家として知られていますが、風景画についても優れ、後のコンスタブル等のイギリス風景画の先駆者とも見なされています。

『庭園での語らい』(1747年頃 油彩・カンヴァス 73×68㎝ パリ、ルーブル美術館)は、18世紀のイギリスで盛んに描かれたいわゆる「カンヴァセーション・ピースィズ」の典型例で、緑多き美しい庭園で語り合う男女の姿をロココ調を加味して描いた作品です。

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