アート

2012年4月21日 (土)

アレクサンドル・スリュサレフ

アレクサンドル・アレクサンドロヴィチ・スリュサレフ(1944~2010)は、ロシアの写真家ですが、わが国ではその名がほとんど知られていないと思われます。

しかしながら、この優れた写真家はロシア国内では生前からかなり有名で、旧ソ連時代から、ロシアのみならず、バルト海沿岸の国々でもその展覧会がしばしば開かれていました。

スリュサレフはモスクワに生まれ、この地の外国語大学に学んだ後、イタリア語の教師ならびに翻訳者となり、1990年代まではこれらを本業としていましたが、同時に写真についても熱心に研究し、60年代にはすでにアマチュア写真家たちの間では重きをなしていました。

彼の作品は、とりわけ70年代と80年代のロシアにおいて、アマチュア写真家たちの間でこそ高く評価され、また大きな影響を与えていたとはいうものの、その非ジャーナリズムおよび非プロパガンダ的性格により、ソ連当局からはほとんど無きもの同然とみなされていました。

しかしソ連当局からの束縛を受けなかっただけに、そのなにげない日常生活に根差した自由な作風には新鮮で親しみやすい味わいが感じられ、多くのアマチュア写真家や市民たちから支持されていました。

物語性には欠けるものの、個人の私的空間やありふれた都市景観、そして素朴な庭先や田園風景等を被写体とする彼の芸術写真には、独特の親しみやすさと面白さがあり、今後日本でももっと見直されてもいいのではないか、と私は思っています。

スリュサレフ作品集1.『回顧』

スリュサレフ作品集2.『改良』

スリュサレフ作品集3.『わが町』

スリュサレフのウェブページ(英語)