« 2019年2月 | トップページ | 2019年4月 »

2019年3月

2019年3月21日 (木)

落日

      落日


原付に乗って陸橋を上り始めた時
バックミラーに映り込んできた夕日

ふるえながらもはっきりと
かなたの地平線上で
あざやかな紅色に染まって

つかの間のドラマに触れた冬の日の夕まぐれ


           2019年3月21日

2019年3月16日 (土)

日だまり

日だまり

 

 

そこだけが明るく輝いていた

 

冬の日の午後

塀際で

 

そこは別世界

 

そして

そこだけが光に祝福されているのだった

 

 

2018年3月16日

2019年3月10日 (日)

山並み

 

山並み


かなたに うっすらと山並みがたなびいている


薄青色
の空に溶け込み

無言で横たわるその朦朧とした影


悠久なる自然の造形に

時の経つのも忘れて対峙し

しばし忘我の境地をさまよう



2019年3月10日

地蔵

地蔵

 

 

黙って立っているお地蔵さん

 

おすまし顔で

ニコニコ顔で

はたまたお茶目顔で

 

鼻がそげても

指がとれても

何食わぬ顔して

 

雨にも負けず

風にも負けず

雪にも夏の暑さにも負けぬ

丈夫な石の体をもち

褒められもせず

苦にもされない

 

そんなお地蔵さんが

わたしは好きだ

 

 

2019年3月10日

2019年3月 9日 (土)

ポプラ

ポプラ

 

 

淡い午後の光に包まれ

心地よい微風を頬に感じながら

わたしは見ていた

ポプラの葉の絶妙なそよぎを

 

さわ さわ さわ …

 

そよ吹く風に葉むらを委ね

高々とした梢を顕示する緑の樹

 

さわ さわ さわ …

 

ごく小刻みな揺れは

どこかミステリアスで

なにかを暗示しているかのよう

 

さわ さわ さわ …

 

わたしは見ていた

緑色のコスチュームが

風の魔力でひらひらと踊らされるのを

 

 

2019年3月9日

2019年3月 6日 (水)

牡丹雪

牡丹雪

 

 

はるか昔の冬の日の午後

 

空は曇天 どんよりとした灰色

 

いつしか雪が降り始めていた

 

数限りない大ぶりな雪片が

ふわふわと不思議なくらいゆっくりと落ちてくる

 

思わず差し出した両の手のひら

 

雪はそっと付着すると

すっと溶けて消えていった…

 

次から次へと舞い降りてくる

天からの白く軽やかな贈り物

 

至純なる癒しイマージュ…

  

 

2019年3月6日

2019年3月 3日 (日)

もうひとつの街

もうひとつの街

 

 

冬の朝

 

街なかの壁に描かれている素朴な風景

 

青い空

緑の樹々

白いビル群

 

オレンジ色のアドバルーンも飛んでいる

 

あのなつかしい童心に帰れるような

夢と憧憬に溢れた

明るくモダンで平和な都市…

 

わたしは見た

 

街なかの壁に

もうひとつのノスタルジックな街が生動しているのを

 

 

2019年3月2日

« 2019年2月 | トップページ | 2019年4月 »