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2017年5月14日 (日)

峠への道

峠への道

 

ゆるやかな勾配の山道が

駅から峠まで続いていた

 

風趣あふれる山景をめでながらゆっくりとのぼっていく

湿り気を含んだ落葉を踏みしめて

 

傍をちろちろと小川が流れている

街なかでは到底見ることのできないその清冽な水

 

思わず手を浸してみれば

えも言われぬ冷涼な感触!

 

岩に張り付いて濡れそぼった赤黒い紅葉に

秋の気配をしみじみと感じる

 

道はおおむね薄暗かったが

ちらちらと木漏れ日が射しこむことも

 

右方は懸崖だったが

左方は鬱蒼とした樹林であった

 

丈高い木々の間に望まれる彼方の明るい風景が

そこはかとない開放感を醸し出す

 

直線距離にして二キロメートルほど

いつの間にか峠に到達

 

秩父山地の一角から見晴るかす飯能方面は

限りなく広やかですがすがしかった

 

そして今しがた通ってきた霊妙な山道のことを顧みるにつけ

幽邃なる深山を逍遥したかのような感慨を抱くのだった

 

2017年5月14日

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