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2016年12月

2016年12月29日 (木)

大地

大地

 

 

ただ一人たたずんでみたい

晴れ渡った青空の下

果てしない大地のただなかに

 

遠くには穀物小屋が見え

農夫たちが収穫にいそしんでいる

 

ただ一人たたずんでみたい

曇天の日の黄昏時

果てしない大地のただなかに

 

プラトークをかぶった敬虔な老婦人が

肌寒い街道をしずしずと通り過ぎて行く

 

ただ一人たたずんでみたい

月影さやかな夜空を仰ぎつつ

果てしない大地のただなかに

 

天のおちこちで星がまたたき

頬をかすめる涼風が心地よい

 

ただ一人

都市の喧騒を離れ

日常の瑣事を忘れて

たたずんでみたい

 

彼方を走りゆくトロイカの

かそけき鈴の音が聞こえ来る

茫漠として果てしない

白銀の大地のただなかに

 

 

2016年12月29日

2016年12月24日 (土)

カフェ礼賛

カフェ礼賛

 

 

昼休み

お決まりのカフェに行き

ジャスミンティーを飲む

 

サラサラサラッと

スティックシュガーをカップに注ぎ入れ

クルクルクルッと

スプーンでかき混ぜて

準備完了

 

ティーたるもの

トーストやサラダ ホットドッグと

この上なく相性がいい

 

さらに

耳に流れ入る

シックなBGMとも

 

快いBGM…

タイトルはわからない

だがそれはどうでもいいこと

今 このひと時が満ち足りていれば

 

あたりの客たちは皆

思い思いのスタイルでくつろいでいる

 

不景気な顔などあるはずもない

 

ここは都市生活者の静かなる社交場

まったりとしたスペース

至高のオアシス

カフェなのだから

2016年12月24日

2016年12月17日 (土)

時の列車

時の列車

 

いつのまにか

散り敷いていた枯葉が

跡形もなく消えている

 

いつのまにか

涼やかな日々が遠のき

真冬になっている

 

時の列車は停まらない

 

この世に生を受け

この列車に乗り込んだら

墓場までノンストップだ

 

窓外の風景は

この世で遭遇する様々な事物


すべては前方から後方へと

未来から現在 そして過去へと

速やかに流れ去ってゆく

もしも心に寄り添ってくれるものに出会ったら

せめて目に焼き付けておこう

青空 花 月 恋 うた 夕暮れの微風…

 

時の列車は停まらない

 

ほら

今年も早や暮れようとしている

2016年12月17日

2016年12月10日 (土)

強風

強風

 

 

今日は風が強いね 葉っぱが全部落ちちゃってる

 

ある昼下がり

隣席の同僚の言葉に 窓外を見やると

なるほど

ついこないだまで枯葉を付けていた木が

すっかり裸になっている

 

これは強風のしわざであった

 

コーヒーブレイクの時間に

高層団地の中庭で

何も入っていない白いコンビニ袋が

ふわりふわりと上昇していくのを見かけた

 

これも強風のしわざであった

 

帰りの夜道では

路傍の枯葉たちが

激しく吹き上げられ

ぐるぐる渦巻いていた

 

やはり強風のしわざであった

 

強風はいろいろと珍奇なことをやらかしてくれる

 

ちょっとうるさくて

ほこりっぽいけど

たまにはいいかもね

風の強い日も

 

 

2016年12月10日

2016年12月 3日 (土)

秋の絨毯

秋の絨毯

 

 

ほのかな日差しを浴びて

地面に敷き詰められている枯葉たち

 

枝を離れ

地表に落ちた葉っぱたちは

風のまにまに吹き寄せられ

積み重なり

押し広げられて

黄色いカーペットとなる

 

このカサコソとした敷物は

晩秋という時節からの贈り物

 

時の移ろいと共に

緑葉から紅葉へと姿を変え

心を癒してくれた葉っぱたち

 

それが今 最後の役回りを演じている

 

ひんやりとした空気と

うっすらとした日の光が心地よいこの刹那

 

去りゆく秋がしつらえてくれた

この軽やかな絨毯を踏みしめてゆこう

 

 

2016年12月3日

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