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2016年9月11日 (日)

カフェ

カフェ

 

 

とりあえず

嗜好に合うカフェだった

 

60年近い歴史を刻んできた

中央線沿線の老舗

 

狭くて急な階段を上ると そこは

薄暗い屋根裏部屋のような空間

 

何もかも古びているが

どこか瀟洒で落ち着いた雰囲気

 

テーブル 椅子 絨毯

柱時計 鏡 絵画 仮面…

 

フランスの古雅な版画

 

雑誌も山積しているが

塵埃はみじんも見受けられない

 

窓側の席に座る

 

やがて 店主の老婦人が

ホットドッグとコーヒーを手に

ゆっくりと階段を上ってくる

 

窓枠の中では 夕刻の

あまり活気のない商店街のドラマが

ゆっくりと進行している

 

時折 人影が通り過ぎてゆくが

みな こちらに気付く由もない

 

窓の向こうと こちら側

商店街を行き交う人々と カフェの客

あちらは歩行し こちらはコーヒーを飲む

 

何の変哲もない

夕暮れのひと時

 

やがて コーヒーでくつろいでいた客も

勘定を済ませて店を出る

 

そして カフェの窓外の

歩く人々の中に消えてゆく…

 

 

 

2016年9月11日

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