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2016年7月22日 (金)

江南旅情

去る4月下旬の、中国江南地方への旅は、私にとって、忘れがたい、素晴らしい体験となりました。4月25日~28日のブログでは、主として写真でその思い出をご紹介していますが、この度、改めてその感動と体験を、言葉のみで綴ってみました。写真ではお伝えできなかった、細々しいエピソード等も盛り込んであります。お暇な時にでも、ご高覧下さい(太字の節は、旅のハイライトです)


江南旅情

 

 

出国

 

久しぶりの成田空港。

両替所にて、真新しい100元紙幣を手にする。

出国審査の後、中国東方航空のゲートへ。

待合ロビーのベンチに腰を下ろせば、

そこはかとない期待感を抱きつつも、

広漠とした滑走路が、薄曇りの天候と相まって、

ややそっけなく目に映る。

 

機内に入り、わが席を確認。

通路側の隣席には、一人の中年男性が。

美形のフライトアテンダントたちは、みな中国人だろうか。

中国語の機内放送や、漢字表記の機内雑誌…

これから訪れる異国への思いが、いや増す。

 

機体が動き始めてから離陸するまでの、

ゆったりとした時の流れ。

滑走。

離陸。

ほのかな緊張感…

 

機体は今、雲の上。

やがて霊峰富士が眼下に。

写真に収めない法はない。

ささやかな満悦感。

 

機内食は、メインが煮魚であったが、

あまりうまいとは言えない。

フライトアテンダントにお茶をオーダーするも、

入れてくれたのはオレンジジュース。

ティーはメニューになかったのかもしれない。

 

「ビールいかがですか?」

缶ビールを差し出した隣人は、日本人だった。

これから商用で上海に行くという。

日本での生活にピリオドを打ち、

中国の蘇州に住んでもう長い、

気さくで話好きの男性である。

 

同国人同士の会話が弾む。

さすがに彼は中国事情に詳しい。

中国語もろくにわからないまま、

初めて中国に行った時、

レストランでメニューが読めずに、

指さしでオーダーした料理が、

当てが外れて落胆。

だがその時、運よく裕福な中国人と知己になり、

後々まで、何かと便宜をはかってもらったとのこと。

 

お気に入りのスポットは西安付近。

北京も行ってみたほうがよろしい。

「毛沢東はスケベで、可愛い娘にはすぐに手を出した」

中国の米はまずいから、日本に来ると、

いつも大量に買って帰るのだそうだ。

 

この人には、入国カードの記入の際にも、

いろいろと世話になった。

最後は向こうから握手を求めてきた。

こちらも感謝の念を込めてその手を握り、

お別れしたのである。

 

 

上海浦東空港

 

目印の旗を掲げて待っていたのは、

うら若い中国人のガイドさん。

強いて例えれば藤山直美似とでもいえようか。

スカート姿が可愛らしい。

参加者の名簿を手にして、すでに到着した日本人観光客の

名前をチェックしている模様。

もう一人、アシスタントと思しき、やや大柄な中国人女性が傍らに。

 

全員がそろったところで、

観光バスに乗り、浦東空港を後に、

上海市内に向けて出発。

 

このガイドさんの声はかなり大きい。

若いだけに、元気がある。

難しいと言われる日本語を、

こともなげに流ちょうに操っている。

 

上海の住宅事情等について、ひとしきり話した後、

「上海雑技」と「黄浦江ナイトクルーズ」への参加を、

盛んに称揚し、勧める。

当初は躊躇していた私も、その熱意にほだされ、

車内で参加を承諾。

だがこれらが最良の旅の思い出になろうとは、

その時、露ほども思っていなかった。

 

 

上海

 

上海博物館。

中国屈指のミュージアムだが、

鼎を模したその外観もまたユニークこの上ない。

入館料は無料だが、

持ち物及び身体検査があるのも新鮮。

 

一時間の持ち時間をいかに活用するか。

とりあえず、ガイドブックに載っていた

有名作品は外せないだろう。

 

「犠尊」、「玉神人」、蘇軾の書、明清時代の山水画…

悠久の中国文明の香。

 

あっという間に50分ほどが過ぎ、

急いでミュージアムショップへ。

ポストカードのコーナーを一通り見て、

3枚の仕女画を購入。

日本の美人画などとはまた違った風雅な趣。

 

人民公園の北端はやや埃っぽく、騒々しい。

取り立てて写真に撮りたい被写体は見受けられない。

再びバスに乗り、かの有名な外灘へ。

 

黄浦江に向かって歩く。

東方明珠塔が見えると、いかにも上海に来た感じだ。

黄浦公園には、白人観光客の姿も。

煙霧にかすむ、浦東の高層ビル群。

それをバックに記念撮影。

 

伝統と格式を感じさせる、外灘の西洋建築群。

東京日本橋、丸の内のそれらよりも断然風格が漂う。

大きさ、意匠、すべてが本物という感じ。

 

このエリアの裏側をバスで通ったとき、

やや古びたビルの壁を目にして、

ふと不可思議なノスタルジーを感じた。

欧米でもない、かといって日本の洋風建築でもない。

まさしくそのような風情こそが、

華洋雑居のこの都市の醍醐味なのかもしれない。

 

バスの窓外に見える上海の街並み。

高層ビルが林立し、東京にも似ているが、

こちらのほうが数も多く、高さでも勝っているようだ。

漢字の看板が親しみを誘い、何かしら懐かしささえ覚えさせる。

概してこの国際都市には独特の味わいがある。

 

この日の夕食。

円卓を囲むところはいかにも中国らしい。

だが料理はショボかった。

期待していた北京ダックは、

あらかじめ薄く切り分けられた、

しなびたような鴨の肉で、

お世辞にもうまいとは言えない代物。

機内の隣人が言っていたように、

白米が美味しくない、というよりもマズい。

料理に対する撮影意欲も失せるというもの。

 

ところで、

中国では車優先だ。

横断歩道を渡るにも一苦労。

お国柄の違いを実感する。

 

上海雑技。

場内撮影禁止。

雑技団は数々あれど、上海のそれは特にレベルが高いとのこと。

高く積み上げた椅子の上での逆立ち、

燭台を口にくわえたまま、のけぞる曲芸、

数多い皿を回転させ、いつまでも止まらなくさせる芸、

複数のボールを巧みに操る離れ業、

たくさんのバイクが丸い籠の中を縦横無尽に

走り回るスリリングな見世物など…

まさに雑技のエッセンスを集約したような、

目くるめく素晴らしいパフォーマンス!

 

ホテル。

上海市中心部からはかなり離れたロケーション。

デコラティブな白亜の外観。

到着すると、ガイドさんが交代。

今度は、中国人らしい顔立ちの比較的若い女性だ。

助手のガイドさんはそのまま継続するらしい。

 

部屋は広いが、調度品はあまり高級感なし。

ユニットバスもだだっ広いが、

あの長くて底の浅いバスタブには、

日本人としていささか閉口する私であった。

 

 

2日目

 

割と早い目覚め。

ややあって、

モーニングコールがけたたましく鳴るも、

ただ機械的に受話器を外し、すぐに掛けるだけ。

 

朝食は、

多くのホテルの御多分に漏れず、

バイキング方式だが、

いつもながら、

採るべき料理の選択に一苦労。

すでになじみの顔もそこここに。

 

小雨降る中、無錫へ向かう。

江南の雨天は、日本同様、うっとうしい。

 

 

無錫

 

無錫市中心部にある南禅寺

広々とした境内。

仏像群は、わが国のものよりも

カラフルで大仰。

中国の仏像特有の威圧感。

堂内は、気持ち落ち着かない。

 

ここ江南の地では、

日本でいう、いわゆるママチャリが

ほとんど見られない。

みな原付バイクに乗っている、と思いきや、

実は電動の自転車だった。

「エンジンの音が出てませんよね」と、ガイドさん。

見た目がよいので、バイクを模した自転車に乗るのだそうだ。

 

恵山古鎮。

 

雨模様の中、合流した日本人旅行者たちと

記念撮影。

 

清時代の街並みを再現した、

風趣溢れるエリア。

私はレインハットをかぶり、

愛用のコンデジで、

この古雅な光景のあちこちを

切り取ることに、余念がない。

 

江南地方特有の、白壁と黒い屋根が、

ほのかな旅情を誘う。

 

日本の神社の巫女さんたちのような、

白い着物姿の娘たちが、

正しいお酒の飲み方、とやらを

実演している。

 

小ぶりな運河が目に入る。

これぞ江南の原風景。

霧雨にけぶるその光景が、

まことに絵になる。

 

太湖

無錫といえば、なんといっても

この湖が付き物だ。

雨脚が激しくなってきた。

とはいえ、雨にけぶる太湖もまた一興。

 

無錫で合流した中年女性のガイドさんが、

かつて日本で流行った「無錫旅情」を

アカペラで歌ってくれる。

 

淡水真珠工場

実際の真珠貝から、真珠の粒を取り出す様は、

見ていて興味をそそられる。

 

真珠クリームがご婦人方には人気だ。

多くの女性観光客たちは、

このクリームや装飾品等のショッピングに、

時の経つのも忘れているかのよう。

 

近くのレストランで昼食をとった後、蘇州へと向かう。

 

 

蘇州

 

耦園。

 

蘇州と聞いて、まずイメージされるのは、

運河や刺繍もさることながら、

数々の雅趣溢れる庭園であろう。

耦園もその一つ。

れっきとした世界遺産である。

 

小雨が降り止まない。

ここでもレインハットをかぶり、

コンデジ片手に歩き回る。

 

とある門の上部に施されたレリーフの一部が、

破壊されている。

かの文化大革命の傷跡だそうだ。

 

邸宅内では、

黒檀の調度品や扁額が中国趣味を物語る。

人気なくガランとはしているが、

どこか風雅な文人気質が感じられる、

小部屋や東屋の数々。

 

様々な意匠の漏窓や、

雨に濡れてやや艶の出た、

黄石の築山や太湖石もまた趣深い。

 

最近世界遺産に登録された、京杭大運河

支流ではあろうが、

イメージしていた蘇州のクリークとはかなり違う。

コンクリートできれいに護岸された、

その端正なたたずまいからは、歴史の重みや

蘇州情緒を感じることはできない。

 

この近くの公園には、ユニークな彫刻や

モダンな中国的意匠が随所に見受けられる。

白壁と黒い屋根の家々の見える、

水路を擁する平坦な土地の光景が、

いかにも江南地方らしい。

 

雨天のため、バスの窓ガラスが曇り、

窓外の蘇州の街並みがよく見えない。

ただほんの一瞬、

小さな運河と、

そのほとりに佇む白壁と黒い屋根の家が、

ほの見えたことがあった。

それがいかにも蘇州らしくて、

妙に印象的だった。

 

刺繍研究所

館内写真撮影禁止。

精緻なモナリザの刺繍がユニーク。

花鳥や動物の鮮やかな両面刺繍。

 

ガランとした広い部屋で、

二人の女性が刺繍の実演をしている。

その巧みな糸さばき。

 

蘇州から上海へ戻るころには、

もう日が暮れていた。

バス車内で、ガイドさん曰く、

「昨今では上海には高層ビルが立ち並び、

まるで東京みたいで…」

旅行客の一人が声を上げた、

「東京以上!」

「ありがとうございます」

私もその客に同感だった。

 

ハイウェイから眺める上海の夜景は、

なかなか見ごたえがある。

まばゆいばかりのネオンサイン、

数知れぬビルの窓から漏れ来る夜の灯…

ふと目にした静安寺のイルミネーションが、

とくに印象的だった。

 

浦東にある、巴国布衣という四川料理店に入る。

赤色のトーンの店内。

 

変面ショーが見られる数少ないレストランの一つ。

ノリのいい曲に合わせて、

舞台上でパフォーマーが次々と、

素早く面を変えていく。

最後は面を外し、

観客一人一人と握手をして終了。

料理はこの店が一等上質だった。

 

ナイトクルーズ。

黄浦江のナイトクルーズは、

上海観光の目玉としてつとに有名だ。

 

巴国布衣から、おそらくは新建路トンネルを通り、

公平路埠頭から船に乗る。

幸運にも雨が止み、最上階で夜景を味わうには

格好のシチュエーションだ。

 

出航直後、浦東の高層ビル群が美しい。

カラフルな電灯瞬く東方明珠塔がひときわきらびやかだ。

35年程前まではただの平地だった浦東の、

かような変貌ぶりは如何ばかりだろう。

 

船べりにたたずんでいると、

袖をつまんで引き寄せる船客が。

皆で記念写真を撮るので、どいてくれというのだ。

割り込んでくる者もいた。

どうやら中国人は日本人一般に比して、

マナーがよろしくないようだ。

伸び伸びしていると言えば、聞こえはいいのだが。

 

外灘の美しい夜景を間近にして、

今、上海にいることを実感する。

 

写真を撮り合うカップル、

自撮りする人、

只々夜景に見とれる人…

皆、思い思いのスタイルで、

この上海の夜のひと時を楽しんでいる。

 

それにしても、中国人の声は大きい。

騒がしく、せわしない会話。

船内1階は、人々の熱気に溢れていた。

 

 

3日目

 

魯迅公園へ向かう。

公園に到着する直前、

ふと目にした上海外国語大学の正門。

 

かつての職場で同僚だった、

上海出身の若い女性が想起された。

 

上海外国語大学の日本語科出身で、

この上なく正確な日本語を話す、

つつましやかで、たおやかな、

楚々とした佳人。

 

徐志摩の詩「雪のたのしさ」や、

郁達夫の小説「沈倫」は、

二人の共通の愛読作品。

 

レストランでは同じメニューをオーダーし、

魯迅について語り合う。

コンデジで、桂林旅行の素敵な写真を、

ちょっと自慢気に見せてくれることもあった。

 

今となっては懐かしいメモリー…

 

魯迅公園

休日ということもあって、

たいそうな人出であった。

シニア世代が多いのだが、

皆驚くほど意気盛んである。

 

ダンス、コーラス、楽器演奏、太極拳…

皆この時とばかりに、生を謳歌しているようだ。

バケツに入った水と大きな筆で地面に書く漢字は、

さすがに本場、あっぱれとしか言いようがない。

 

園内の建物は江南風で、

白壁に黒い屋根。

この公園の奥に進みゆくと、

そこには魯迅先生の墓と座像が。

偉大な作家は今も敬愛の的である。

 

魯迅記念館

なかなか立派な外観で、

館内も広々として清潔感が溢れ、

心地よい。

 

あらかじめホームページで見ていたため、

やや新鮮味には欠けたが、

やはりここは中国近代文学の父の殿堂。

一見の価値はある。

 

多倫路文化名人街。

魯迅公園のすぐ近くにあるこのエリア、

今や上海屈指の観光スポットである。

 

魯迅公園を含むこの虹口一帯には、

かつて日本人街が形成されていた。

それだけに親しみも湧いてくる。

3度目の記念写真を撮る。

 

オールド上海の風合い漂う、

古風な集合住宅の壁に、

ふと見つけた若い女性の全身像。

女流作家、丁玲の肖像画だ。

のちに分かったことだが、

写真に収めたおかっぱ頭の女性の

ブロンズ座像も、彼女のものであった。

 

骨董店「博古斎」の前で、

人民服姿の美青年がポーズをとる。

チャップリンのブロンズ像の置かれたカフェ

「老電影珈琲館」は、入店こそかなわなかったが、

エントランスを写真に撮ることだけはできた。

魯迅とその友人たちのブロンズ像はやはり目を引く。

概してこの一角は、上海の中でも

そのユニークさで際立っている

 

虹口エリアを後にして、かの有名な外白渡橋を渡り、

再び外灘付近を通り過ぎる。

 

シルク店

蚕の吐き出した繭を、

スタッフが加工してゆく工程を見るにつけ、

つくづく、絹は手作りであることを実感する。

手触りもすべすべして心地よい、つややかな絹織物。

それは江南地方繁栄の一象徴でもあった。

 

土産物を扱うショップで購入したのが、

歴代中国美女と、

あまり意味の判別できない漢字の句が載っている、

4本セットの、小ぶりな団扇。

扇いでも、風が来過ぎないのが特徴。

 

田子坊は、

今、上海で最も旬なショッピングエリアだ。

 

本当は、あるスイーツ店で、

宮廷風デザートを食したかったのだが、

30分という制限時間では、

とてもかなわない。

 

ぶらぶらと歩みを進め、

とある雑貨屋に入ってみた。

入り口近くに中国茶がいろいろと並んでいる。

缶の意匠と香りがいたく気に入り、

2種のジャスミン茶を購入。

赤いショッピングバッグも、

いかにも中華風な趣を呈していた。

このジャスミン茶は、帰国してから毎晩飲み続けたが、

病みつきになるほどの、優れたテイストであった。

 

バスの中でもらった一個の焼小籠包。

まさかこれほどスープが入っているとは。

熱さと相まって、思わず少量こぼしてしまったが、

味については文句のつけようがなかった。

 

豫園商場。

この「上海の浅草」が、最後の観光エリアだ。

たいそうな人出。

エネルギッシュな漢民族!

江南地方特有の反り返った屋根の先端が、

あちこちで見受けられる。

 

レストランで、あまり美味しくない昼食をとる。

特に小籠包は不味く、我慢して食べるほど。

 

この後、商場南東にある中国茶館で、

数種の中国茶を試飲。

この国にも、奥ゆかしい飲茶の作法は、

しっかり息づいているようだ。

 

有名な豫園をじっくり鑑賞したいところだが、

とてもその時間的ゆとりはない。

このあたりで、短時間で見れるエリアは?

上海老街という言葉が頭に浮かぶ。

 

商場南端に位置する

その一角は庶民的な商店街だった。

どこか日本の辺鄙な田舎町の商店街の雰囲気。

異国にあって感じるこの不思議な郷愁…

個々の店に入る余裕はなかったが、

この商店街特有のひなびた風情は、

十分感受できた

 


バスに向かう途中、

商城東端にある、

道幅の狭い安仁街を通る。

 

数多くの、食物等を売る屋台が並び、

決していい香りを放ってはいないが、

どこか親しみやすい、

庶民的な熱気があふれている。

 

ハイソな外灘界隈とは

対照的なこのエリアを歩くと、

上海という大都市の多様性が、

ひとしお実感させられる。

 



浦東空港へ向かうバスの中で、

ふと窓外に目をやると、そこには、

滔々と流れる黄浦江と、その両岸にそびえる

無数の高層ビル群が開けていた。

 

おそらくは南浦大橋を渡りながら、

江戸、東京に隅田川が付き物だったように、

上海の繁栄も、この黄浦江あってのものだったのだ、

という感慨にふける。

 

 

 

帰国

 

帰りの飛行機の中で、隣席にいた女性は、

かねがね話をしたことのある旅行者であったが、

驚くべきことに、母国語が韓国語であることが判明。

私はてっきり日本人とばかり思っていたほど、

その日本語は自然で違和感のないものであった。

 

彼女はまた中国語もよくし、

現地で自在に操るほど熟達していた。

まさに語学の達人である。

とはいえ、本業は日韓両国の

重要な橋渡しとなる、法関係のお仕事らしい。

聡明で人間味あふれる、魅力的な女性だ。

 

ところで、

機内食のデザートとして、

スイカのぶった切りめいたものが供されたのは、

いささか奇異であった。

もう少しスマートなものを期待していたのだが。

 

成田が近づく。

母国の灯が目に沁みる。

上海からは、つかの間のフライト。

 

中国がかくも魅力あふれる国だったとは。

そしてこんなにも近い存在であるとは。

この旅は、偉大な国のほんの一端を

垣間見ただけかもしれないが、

私にとってはかけがえのない良き体験、

良き刺激、そして良き思い出。

いついつまでも心の糧となってくれるに違いない。

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