« あいびき (2) (ツルゲーネフ作) | トップページ | 池袋でCOOLPIX P310(ニコン)を試す! »

2012年8月 2日 (木)

気球、鳩 (シャヴァンヌ)

Photo_3 Photo_5
ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ(フランス、1824~98)は、本来は壁画を専門としていた画家でしたが、左の『気球』(1870年 油彩 137×87㎝ パリ、オルセー美術館)ならびに右の『鳩』(1871年 以下、前作品に同じ)という二つの作品のような象徴主義的な油彩画も描いています。

彼の作品は一般に詩情に満ちた、やや冷たい古典的な静謐感を特徴としていますが、それは上記二つの作品からも十分感じられます。

1870年の普仏戦争でパリが包囲されている時に、シャヴァンヌは『気球』を描くことを決心しましたが、黒衣に身を包んでマスケット銃を持った女性が便りをのせた気球を見送っているこの絵は、翌年に描かれた『鳩』と対をなしています。

『鳩』では、『気球』と同じ女性が、今度は雪に埋もれたシテ島を背後に、前向きに描かれていて、敵が放った鷹から伝書鳩を守っています。

戦争という暗い事態にふさわしい褐色を基調とするこれら二つの絵は、フランス政府に画家自身が寄付しましたが、かなり愛着があったようで、寄付したことを後悔し、後に開かれたある個展では、これらの作品の写真を展示したということです。

« あいびき (2) (ツルゲーネフ作) | トップページ | 池袋でCOOLPIX P310(ニコン)を試す! »

フランス絵画」カテゴリの記事

コメント

本当の象徴的た時代は 絵画をそれを強調させるという
面白い人間の社会が 浮かび上がります。
共和制を宣言した 強いフランスとして プロイセンに挑む
あの頃の やはり 「平和」のもとでの 象徴なのでしょうか
歴史的なものを感じます。 彷彿とします^^。 

> kawasemi さん

これらの絵は普仏戦争の時に描かれたものですが、
フランスという母国の危急存亡の時期に際しての
画家の平和を希求する気持ちが込められていて、
静謐な中にもどこかしら強い精神性のようなものが
感じられます。

なるほど、、。ヨーロッパは みんなそうですが、フランスなど
特に 個や自己に対して精神的な自信のようなものが強いですね、
生きるつながりにもなっているように 思います。

> kawasemi さん

フランス人は、外国人観光客に対して
(国際共通語である)英語を使いたがらないと言われていますが、
そんなところにも、自国(語)に対する誇りが感じられますね。

かどりさんの記事は、名画を鑑賞しながら とても分かりやすく 面白い解説も読めるので、私の様な若輩者でも勉強になります。

19世紀のフランス絵画に興味を持ちました。この絵も素晴しいですね。

ギュスターブ・ドレやミュシャなど、イラストレーションばかり見ていましたが、

さすが 芸術の国、素晴しい絵画が沢山あるのですね。

かどりさんの記事で名作を鑑賞するのがとても勉強になり、また楽しみです。

> あたんさん

拙い記事をお読みいただき、恐縮です。
できるだけ自分の嗜好に偏らないように
作品を選びたいところですが、
解説を加えるとなると、どうしても好きな作品を
取り上げてしまいます。
ドレやミュシャも好きです。
特にドレは有名な文学作品の挿絵を描いていて
親しみやすいですね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 気球、鳩 (シャヴァンヌ):

« あいびき (2) (ツルゲーネフ作) | トップページ | 池袋でCOOLPIX P310(ニコン)を試す! »