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2012年8月10日 (金)

朝のひととき (シュヴィント)

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ウィーン生まれのモーリッツ・フォン・シュヴィント(1804~71)は、ドイツ・ロマン派の代表的画家ですが、この『朝のひととき』(1858年 油彩 34×40㎝ ミュンヘン、シャック・ギャラリー)は、小品ながら、彼の全作品の中でもかなり有名なものです。

もともとシュヴィントは、ドイツ・ロマン派的モチーフ、すなわちメルヘンや中世の物語を主題にしたフレスコ画や油彩画を得意としていましたが、当時流行していたビーダーマイヤー様式(強いてひとことで言うなら、簡素で平和な日常生活の中にこそ幸福を見出そうとする態度)を感じさせるこのような優れた小品も残しています。

椅子の上に脱ぎ棄てられたガウン、その下に見えるスリッパ等が描かれていますが、この絵の中の若い女性はそのようなものには無頓着に、窓外の美しい早朝の景色に見入っています。

簡素なインテリアとどこか平和で穏やかな朝のひととき、ドイツのロマン主義絵画らしいほのぼのとした情趣が感じられる佳品だと思います。

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コメント

いつまでも見ていたい作品です。 このような部屋は、今も そのまま
あるヨーロッパの 特にゲルマン人の魅力を感じます。 
6号の中に、普通の生活を延々と保つエネルギーこそが、文化のように
思います。 この おうちは 今行っても このままだと思える 原風景の
1つのようですね。

> kawasemi さん

この絵を描いた画家が活躍していた頃、
ドイツでは「普通の生活」に高い価値を見出す
ビーダーマイヤー的な文芸潮流が流行っていました。
詩人ではメーリケら、小説ではシュティフターらがその代表ですが、
どこかのどかで平和な雰囲気に包まれていて好感が持てます。

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