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2012年7月10日 (火)

風景   マイコフ   (ロシアの抒情詩 19)

風景



私は森の中の小道を

そぞろ歩きするのが好きだ。

深いわだちのようなこの小道を

私は歩いて行く・・・ 道のりは果てしない・・・

あたりはもう緑もまばらで、

秋がカエデを赤く染めている。

エゾマツの林はまだ緑色で陰も多く、

黄色いヤマナラシの林が警鐘を鳴らしている。

白樺の葉は残らず散り落ちて、

じゅうたんのように道を覆いつくしている・・・

まるで水面を歩いているようだ・・・

足元がざわめく・・・ すると聞こえてくる、

茂みの中のいともかそけき音が。

そこでは、ふんわりとしたシダがまどろみ、

おとぎ話に出てくるこびとたちのように、

あまたの赤いテングダケが眠っている・・・

すでに太陽の光は斜めに差し込み、

遠くに、川がその姿を見せた。

どこか遠くから、製粉所の水車の

がたごという音が聞こえてくる・・・

すると、道の前方に重たげな荷馬車が

出てきた。・・・ それは日なたと日陰で、

ちらちらと見え隠れしている・・・

老人がやせ馬に大きな掛け声をかけている。

荷車には・・・ 少女の姿が見える。

孫娘のおびえるのが老人には愉快だ。

ふさふさとしたしっぽを垂らした犬が、

荷馬車のまわりを、吠えつつ駆け回っている。

かくて、森の薄闇の中に、

ほがらかな声が響き渡る。




Пейзаж    1853    А.Н.Майков

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コメント

夏のシベリアは 至るところで 木の実をつんでいます。
バケツいっぱいに 野いちごや スグリのみやほかの実も
摘んで いっぱいにして ロシアン・ティーのジャムに入れる
のです。 あそこに入った時 森は 大きいと思いました。
トラックは やっていません 荷馬車が よく合いますね

> kawasemi さん

夏のシベリアに行かれたことがあるなんて、
素敵ですね!
夏のシベリアの森・・・ いちご摘み・・・
まだまだ本物の自然が手つかずのまま
残されている感じで、憧れてしまいます^^

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