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2012年6月25日 (月)

金色の林は語り終えた・・・

セルゲイ・エセーニン(1895~1925)といえば、甘美で感傷的な抒情詩を書き、多くの浮名を流して夭折したロシアの詩人、といったイメージがつきまといますが、本国ではいまだに高い人気を誇っている国民詩人だそうです。

彼の作った抒情詩の多くが曲をつけられて、ロマンスとして歌われていますが、それら多くの抒情的小歌曲の中でも、『金色の林は語り終えた・・・』(アドガヴァリーラ・ローシャ・ザラターヤ)は、最も人口に膾炙しているものの一つかもしれません。

農民の子として生を受け、ロシアの自然を愛し、農村風景を美しく詠ったエセーニンは、その甘美な感傷性を大きな特色としていますが、この詩にもそのような傾向が大いに感じられ、ちょっとセンチな旋律と相まって、聴く者を魅了してくれます。

この詩は全部で6連あるのですが、ロマンスの中で出てくるのはそのうちの1、3、4連です。


「白樺のにぎやかな舌でおしゃべりしていた

金色の茂みが ふっと口をつぐんでしまった

鶴たちも かなしげに飛びすぎながら

もう誰のことも 惜しんではいない・・・


ひとりで 裸の荒野に立っていると

風が 鶴を遠くへはこんでいく

ぼくは たのしかった若い頃の思いでいっぱいだけれど

過ぎたことなんか すこしも悔やんではいない


いたずらに流れた日々を 悔やまないし

心の中のライラックの花も 惜しくはない

庭で 赤いななかまどの焚火が燃えているけれど

それは誰を暖めることもできやしない・・・」(K.岡林氏訳)

『金色の林は語り終えた・・・』

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コメント

素敵ですね! 何もない広がりが贅沢で 価値あるものに
感じます。 赤いルパシカ  バラライカ いいですね。
風土のなかで 作られる歌は 馴染みます。

> kawasemi さん

本当に、ロシアでは「何もない広がり」が絵になりますよね^^
ここではバラライカが巧みに取り入れられていますが、
妙にこの曲とマッチしていて、ロシアの大地を感じさせてくれます。

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