« 岳陽楼と滕王閣(憧憬スポット 5) | トップページ | 小石川後楽園~湯島聖堂~日比谷聘珍樓~シーサイド・トップ »

2012年5月27日 (日)

明日は! 明日こそは!   ツルゲーネフ   (ロシアの抒情詩 15)

明日は! 明日こそは! (『散文詩』より)


過ぎゆく日々のうち、そのほとんどが、なんとむなしく、もの憂く、つまらないことか! それらの日々から、なんとわずかなものしか得られないことか!

時が、なんと愚かしく無意味に流れ去って行ったことか!

にもかかわらず、なお人は生存したいと欲する。

人は生を重んじる。 そして命を、自分自身を、そして未来というものを当てにしている・・・ ああ! いかなる幸福を、人はその将来から期待するのか!

それにしても、いったいどうして人は、来るべき残りの日々は、たった今過ぎ去ったこの一日と似たものではなかろう、などと思い込んでいるのか?

実際には、人はそんなことを考えているわけではない。 人はじっくり思索することなど好まないものである。・・・それでも十分やっていけるのだから。

「ほんとうに明日は、明日こそは!」 ・・・この「明日」が自分を死の中に投げ込むまで、人はこう思って自分を慰めるのだ。

さて、ひとたび死んでしまえば・・・ もうどうしても思索するのをやめなければならない。

(1879年、5月)



Завтра! Завтра!

« 岳陽楼と滕王閣(憧憬スポット 5) | トップページ | 小石川後楽園~湯島聖堂~日比谷聘珍樓~シーサイド・トップ »

ロシアの抒情詩」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。 ツルゲーネフは この散文詩を楽しく書いたように思います。
 若いころ、どこかで読んだことがあったかな、、意識が変わると
 愚かしさも 変わり、 無意味さすら豊かになるように思います。

 時々、19世紀末などを憧れたりします。^^:

> kawasemi さん

確かに、この詩はあまりシビアな感じがせず、
どことなくユーモラスな雰囲気すらありますね^^

ツルゲーネフは『散文詩』では、この作品のように
内省的なものを少なからず書いていますが、
大学で哲学を専攻した彼のキャリアも、
幾分反映されているのかもしれません。

ツルゲーネフは 哲学を専攻していたのですか・・。なるほど
面白いですよね。 生活をも感じさせる方です。好きでした。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1630167/44430411

この記事へのトラックバック一覧です: 明日は! 明日こそは!   ツルゲーネフ   (ロシアの抒情詩 15):

« 岳陽楼と滕王閣(憧憬スポット 5) | トップページ | 小石川後楽園~湯島聖堂~日比谷聘珍樓~シーサイド・トップ »