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2012年4月14日 (土)

組曲「金鶏」

Photo_2ニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844~1908)の『金鶏』(1907)は、プロローグとエピローグの付いた3幕から成るオペラで、『サドコ』等と並んで有名なものとなっています。

そして、彼の死後、弟子のグラズノフとシテインベルクが生前の師の指示に従って編んだのが、「オペラ『金鶏』からの4つの音楽的絵画」という副題を持つ『組曲「金鶏」』(1909)です。

『金鶏』は、プーシキンの寓話をベースとしていて、リムスキー=コルサコフにとっては最後のオペラになりましたが、1909年に初演された時には、この偉大な作曲家はすでに鬼籍に入っていました。

おおまかなプロットは次の通りです。

ドドン王は、かつては何も恐れるもののないほどの威力を持った王でしたが、最近は寄る年波と疲れから、いつも外敵の脅威にさらされ、戦々恐々とした日々を送っています。

グウィドンとアフロンという二人の王子のアイデアも役に立たず、重臣たちも含めてみんなほとほと頭を悩ませていました。

そんな時、金の雄鶏を持ったひとりの占星術師が現れ、この金鶏が王国の将来を見通し、危機が迫った時には鳴いて知らせてくれる、と言います。

喜んだドドン王は、この占星術師への返礼として、望みを何でも聞きいれてやる、と言いますが、この時点では占星術師は、よく考えたいので時間をいただきたい、と答えます。

王たちが安心したのもつかの間、金鶏が鳴いて戦いの合図をしたので、まず王子たちが、続いてドドン王自身も出征します(この間、王は夢の中で、すばらしく美しい女性に出会います)。

戦場で王は、味方が敗北を喫し、ふたりの王子たちもどういうわけか刺し違えて死んでいるのを目にしますが、夜が明けるとテントの中から、なんと、あの夢に現れた美女が出てきます(彼女は大気の王の娘であるシェマハであることが判明します)。

彼女はドドン王に、自分を奪い合って王子たちが刺し違えて死んだことを知らせますが、王のほうはこのシェマハの女王がいたく気に入り、自国に連れて帰ります。

こうして、ドドン王と、珍妙な従者たちを連れ、今や王妃と相成ることになったシェマハの女王が王国に帰ってきましたが、例の占星術師が返礼としてこのシェマハを所望し、激怒した王は彼を殺してしまいます。

しかしそのあとすぐに金鶏が一声鳴くと、王の頭を強烈に一突きして死なせます。

この後、シェマハの女王と金鶏は姿を消してしまい、この国には王を失った臣民たちだけが困惑のうちに取り残されることになります。

このオペラには、明らかに反体制主義が感じられ、台詞の変更もロシア当局から求められましたが、その趣旨は一言で言うなら「権力はただの影にすぎない」というものだそうです。

『組曲「金鶏」』は、このオペラのハイライト的な名旋律を中心にして、かなり上手くまとめられていて、ところどころになんとも味のあるメロディーが出てきて聴き手を退屈させません。

「旋律の美しさではチャイコフスキー以上」とも言われるリムスキー=コルサコフは、私が最も愛好する作曲家の一人ですが、美しいメロディーが多く含まれているこの『組曲「金鶏」』は、『シェヘラザード』等と並んで、お気に入りの音楽作品になっています。

Ⅰ.宮殿のドドン王

Ⅱ.戦場のドドン王

Ⅲ.ドドン王とシェマハ女王の踊り

Ⅳ.婚礼の祝宴とドドン王の哀れな末路

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